滋賀県彦根市の司法書士・FP事務所 おうみ@法務事務所/債務整理・相続・離婚・会社設立・不動産登記

離婚とお金の問題

離婚後の生活

離婚後した後のことを想像すると、いくつかの問題があることがわかります。
1つ目は住居の問題、仕事の問題、子供の問題です。

この問題は、大きく2パターンに分類できます。
1. 現在住んでいるエリアから離れて実家に戻ったり、新しい住居を探す
2. 現在の住居にそのまま住み続ける

という2つです。
1の場合には、実家に戻れる環境があれば経済的にも子供の世話、養育という観点からも両親の援助・協力を得られますので、お母さんが残業で多少遅くなったり、病気になったときなども安心です。そして、金銭的にも大変な苦労なく生活が出来ると思います。


2の場合には、なんらかの事情で現在の住居に住み続ける場合には、住宅ローンが重い負担になったり、子供の世話をしてくれる両親なども近くに居ないわけですから、病気になったりした場合には、残業はおろか、早退などを強いられますし、子供も少々さみしい思いをすることもあるかもしれません。

このような問題を解決するためには、何が必要になってくるでしょうか。

必ずしも、全ての問題を解決してくれる訳ではありませんが、やはり生活基盤の礎となるお金だと思います。

このお金(養育費や慰謝料)があれば、仕事に大幅な制限を受けることがなくなりますし、住宅ローンの支払いも多少は負担が減ると思います。そうなると、気分的にも非常に安定して、寂しさから来る荒れた生活などをしなくて済むと思います。

ですから、離婚を決めた場合には、相手方に慰謝料や養育費をきちんと継続的に支払ってもらえるような手続を専門家に相談、依頼する必要があります。

感情的になって、あとさきのことを考えられない状態で、相手方との法的手続きを取り交わさずに、慰謝料や養育費の未払いが起きて、泣き寝入りするという事例は枚挙にいとまがありません。

慰謝料について

離婚における慰謝料とは、不貞行為や暴力行為などによって傷付けられた肉体的・精神的苦痛に対する代償として相手方に請求する損害賠償金です。

財産分与や養育費とは違い、相手側にどれだけ非があるか、つまり責任の度合いが大きな判断材料になります。

では、どのような場合に慰謝料は認められるのでしょうか。

慰謝料が認定されるためには、相手方の行為が違法であることが大前提となります。
精神的や肉体的苦痛を感じていても、相手方の行為が違法とは言えない場合、慰謝料は認められません。

典型的な例としては、不貞行為と呼ばれる浮気や不倫や暴力が違法行為です。

単なる性格の不一致や価値観の違いでは、違法行為とは言えないことも多く、慰謝料請求できない場合がほとんどです。

慰謝料が認められるケースとしては、

・不倫や浮気
・配偶者に対する暴力行為
・生活費を渡さないなどして配偶者としての義務を果たしていない
・通常の性的交渉の拒否

慰謝料が認められないケース

・相手方に離婚の原因がない
・お互いに離婚原因の責任がある
・価値観の違いなど、離婚原因に違法性がない

では、一体どの程度慰謝料を請求することが可能なのでしょうか。

精神的苦痛を客観的に算定するのは困難であるという理由から明確な基準はありません。

但し、いくつかの算定基準に考慮される要素があります。

・離婚原因の違法行為の責任程度
・精神的苦痛の程度
・社会的地位や支払い能力
・請求者側の収入など
・請求者側の離婚原因責任の有無
といったものが挙げられます。

現実的には、200~300万円程度が平均的です。
これまでの例を見てみると、500万円以上といった高額な慰謝料が成立したケースはあまり見られません。


慰謝料の未払いと請求

離婚時に慰謝料の請求をしていない場合でも、離婚後に請求することができます。 
但し、慰謝料は3年(財産分与は2年)(※離婚届提出時から数える)と比較的短期間で時効になってしまいますので注意が必要です。
また、慰謝料を請求できた場合でも、時間の経過とともに気持ちが離れてしまい、相手側が支払わないことも多いため、訴訟をしなければならないことも多々あります。
そうなる前に、訴訟を伴わずに相手側の所得を差し押さえる効力がある公正証書(慰謝料を明記した離婚協議書を)にしておくべきです。

統計によると、慰謝料の支払いが期間途中で途絶える割合は50%にも上っております。
そうなってからでは、手続が非常に煩雑になりますので、離婚協議書を公正証書化することをしっかりと抑えておきましょう。
そしてその際には、離婚協議書に不備がないように、司法書士の専門家に一度相談してみることをお勧めします。

誰に慰謝料を請求するのか

誰に慰謝料を請求するのかということですが、もちろん、基本的には夫や妻の配偶者ですが、たとえば夫が浮気をしたことが原因で婚姻関係が破綻、離婚に至ってしまった場合には、夫に慰謝料を請求できるのはもちろんのこと、訴訟を起こして浮気相手(女性)に慰謝料を請求することもできます。

また、現在婚姻関係だけでなく、内縁関係にある男女間でもどちらか一方の不貞行為でその関係が家を出て行ってしまい戻ってこないなど内縁関係が破綻した場合には、「内縁の不当破棄」ということで、慰謝料を請求することができます。

養育費について

養育費とは子供が社会人として自立するまでに必要となる費用です。
衣食住の経費や教育費、医療費、娯楽費など、自立するまでに必要となるすべての費用が養育費にあたります。
期間の目安としては、成人する20歳や高校卒業までの18歳、大学卒業までの22歳となります。

未成熟の子どもに対する養育費の支払義務は、親の生活に余力がなくても自分と同じ生活を保障するというかなり重要な義務(生活保持義務)だとされています。 たとえ自己破産した場合でも、子どもの養育費の負担義務はなくなりません。
ですから、財産分与や慰謝料と異なり、請求する上での時効はありません。

養育費の算定基準

養育費の額は、親の収入・生活水準等を考慮して決めるべきもので、一般的にいくらということはできません。
ですから、今後子供の養育にかかるであろう費用を考えて、じっくりと話し合いをして決める必要があります。
一般的には、月に3万円から6万円が相場になります。

一応、養育費の算定方法として「実費方式」「生活保護基準方式」「労研方式」などがありましたが、2003年に東京と大阪の地方裁判所が養育費を算定する一応の目安を出して発表した「養育費算定早見表」があります。現在は、この養育費早見表を用いた算定が主流となっています。

一度決めた養育費の額は基本的には変更することができません。
養育費を決めてそれを書面に残していた場合は、養育費の額を変更するのは難しくなりますが、養育費は財産分与や慰謝料と違って、子供が進学したり、病気や事故に遭ってしまった場合など、取り決めた養育費以上にお金がかかるなどの事情があれば増額することもできます。

あらかじめそういうことを想定して、離婚協議書に「子供の進学や病気などの際には、養育費を増額することができる。」という項目を盛り込んでおけばより確実です。

また、支払う側が失業した等支払が困難な状況に陥ったり、受け取る側の収入が増額して養育費が支払われなくても安定した生活を送れるようになったり、母親が再婚してその夫が面倒見てくれている場合などは減額できる場合もあります。

婚姻費用分担請求

別居する場合でも夫婦であることに変わりはなく結婚生活をお互いが経済的にも支えていく義務である婚姻費用分担義務があるため、生活費を請求することができます。

よくあるケースで言うと、夫婦関係が悪化するにつれて、夫が妻に生活費を渡さなくなったりすることがあります。特に別居した場合には、その傾向が強まります。

婚姻費用の分担準と分担額の算定の仕方は、夫婦の収入や試算その他一切の事情を考慮して決められます。

生活費についての合意がなされない場合には、家庭裁判所に婚姻費用分担の調停を申し立てて決定してもらうことができます。調停が不成立になれば審判手続きに移行して、審判により決めてもらえます。

当然ですが、夫が不貞行為をして自分の意思で別居しておきながら生活費の請求をするなど、請求者に一方的な責任がある場合には、請求は認められません。



年金分割について

熟年離婚の場合、特に問題になるのが年金の問題です。
年金には、誰でももらえる国民年金と、サラリーマンがもらえる厚生年金があります。

国民年金は誰でも支給されるので、問題にはなりませんが、厚生年金を受け取ることができるのは、被保険者のみです。

ですから日本ではごく一般的な夫が働いて、妻は家事に専念する専業主婦といった家庭の場合、妻が受け取ることができる厚生年金はごくわずかであるというケースが多く見られます。

年金制度の変更

離婚における年金制度は2007年4月と2008年4月にそれぞれ年金制度が改正されています。
2007年4月以前の場合には、妻が夫に厚生年金を考慮した請求を行い、夫が受け取る年金から妻に支払うという形しかとれませんでした。

2007年4月の制度変更により、夫婦の話し合いや家庭裁判所が決めた割合で、妻も自分の年金として直接支払いを受けられるようになったのです。
分割割合は、話し合いによって決めますが、最大2分の1までです。
話し合いで合意が得られない場合には、家庭裁判所で分割割合を決めることができます。

2008年4月の制度変更では、妻が専業主婦だった期間は、夫の厚生年金の保険納付実績を自動的に2分の1に分割できるようになりました。夫が要求しても2分の1より割合を下げることはできません。

但し、この制度の対象となるのは、2008年4月以降の専業主婦期間のみになります。
たとえば、結婚期間が20年で2013年の3月に離婚したとします。
この場合、2008年4月~2013年3月までの5年間分のみが2分の1分割の対象となります。

それまでの25年間については、2007年4月に変更された制度に基づいて処理します。
夫婦間で話し合い、もし合意が得られなければ家庭裁判所に分割割合の決定を求めます。

年金の問題はそれぞれの生活設計に大きな影響を与える問題なので、正しく理解しましょう。

《図で説明》

 

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